Q.睡眠の土台って?誰でもできるチェックリスト!
A.睡眠の土台・・・これを整えるだけで睡眠トラブルが改善することもあります。
いわゆるねんねトレーニングや、夜間断乳を実施する際も、この土台が整っていることが大前提となります。
(そのほかに、体調不良が無いことや、兄弟の誕生や保育園入園など大きな環境変化が無いことも大切です)
できるところからチェックしてみてくださいね。
<体内時計/スケジュールを整える>
⬜︎朝7:00台に朝日を浴びている
⬜︎月齢に見合った充分なお昼寝ができている
⬜︎ねんねルティーンを毎日継続している
⬜︎就寝1時間前にはブルーライトを避けて
いる(消灯に向けて徐々に照明もダウン)
⬜︎寝床には活動時間内にご機嫌な状態で入っている
<睡眠環境を整える>
⬜︎寝室の温度は20-22℃ 湿度50-60%
⬜︎寝室は静か(またはホワイトノイズ使用)
⬜︎寝室は朝まで暗い(照明使用時は暖色系の足元灯)
⬜︎寝床には一歳まで何も入れない、安全な寝床であること
<幸福度を高める>
⬜︎日中に一対一の時間、
たっぷりスキンシップがとれている
⬜︎お母さん/お父さんの心が満たされている、
ストレス発散方法がとれている
参考:愛波文著 「ママと赤ちゃんのぐっすり本」
Q.子どもにとって、安全で快適な睡眠環境とは?
A.<安全性> SIDS予防、ねんねを安心して見守るためにとても大切です!
・生後一歳までは寝床に何も置かない(枕、布団、おもちゃなどすべてNG)
窒息の危険があります!
・硬めのマットレス、しわのないシーツを使用する。
(顔が埋もれてしまわないように)
・ベビーベッドを使用する。または親と別の寝具で添い寝をする。
・掛け布団は使わずスリーパーや肌着で調節する。
理由:乳児の死因:不慮の事故の8割は窒息で、その多くは寝室環境で起こっています。
<音>
・静かであること
物音で覚醒してしまう場合は、ホワイトノイズなどの音のカーテンを利用するとGood
ホワイトノイズは大人にとっての快眠グッズにもなります。
<光>
・朝まで真っ暗な状態であること(常夜灯は赤ちゃんにとっては、刺激的な明るさです)
(ナイトライトを使用する場合は、暖色系のものを、足元などに置き、直接光源が視界に入らないようにしてみましょう)
理由:赤ちゃんはとくに光の刺激に敏感で眠りづらくなるため。
赤ちゃん、子どもは大人より顕著に光の刺激によって睡眠ホルモンの分泌が妨げられてしまうため。
<室温、湿度>
・住環境などにもよりますが、室温20-22度、湿度50-60%が◎ 大人が少し肌寒いくらいが快適です。
赤ちゃんは鬱熱(熱がこもること)に弱いので、涼しくしてあげましょう。(乳幼児突然死症候群のリスクを減らすことにもつながります)
手足が冷たく感じられても、お腹や背中がポカポカしていれば大丈夫です◎
Q.ねんねルティーンは何のため?
A.ねんねルティーンは、子どもにとっての「寝る合図」です。
<目的>
まだ、時間の概念がない子どもにも、「寝る時間」であることを知らせることができます。
ルティーンを続けることにより、子ども自身が、次の自分の行動が予測でき、
眠りにつくための心の準備ができるため、スムーズに入眠つながります。
副交感神経を優位にしてリラックスへとみちびくことができます。
<効果>※ねんねルティーンは、睡眠の質の向上にとって大切なことが、科学的にも証明されています。
①寝付きが良くなる
②睡眠時間が長くなる
③夜間の中途覚醒が減る
<実施のポイント>
だんだんと活動量を減らし、最後は静かに寝床で横になることをゴールとします。
毎日一貫性をもって続けます(慣れるまでは、なるべく同じ保育者が担当すると良いでしょう)
授乳や抱っこなど入眠の癖になりやすい活動は、一番最後ではなく、ルティーンの早いステップに入れます。
入浴直後は体温が高すぎて寝付きにくいので、入浴後45~60分後に寝床に入れる流れが良いとされます。
大人も、何か心配事や不安があれば寝付きが悪くなるのと同じく、
子どもも、寝る前はリラックスして、安心していることが大切です!
スキンシップを取り入れて、親子の幸福度を上げるのもとても大切です!
ねんねルティーンは、新生児期から始められます。
低月齢のうちは、お風呂⇒マッサージ⇒授乳⇒おむつ替え⇒「おやすみ♡」⇒ホワイトノイズ&消灯
「まだ遊びたい!寝たくない!」と分離不安や自我が確立する幼児期には
☆今日嬉しかったこと、がんばったことを振り返ってお話しする時間
☆今日も一日ありがとう!の時間
などを意識して、ねんねルティーンが、親子にとって幸せでリラックスした時間になりますように。
Q.光と体内時計の関係は?
A.体内時計は、光の影響を強く受けます。
人間の体内時計は24時間10分程度で、24時間より少し長めなため、
毎日、体内時計が後ろ倒しにずれないように調整する必要があります。
その方法が、朝に太陽の光をしっかり浴びることです。(体内時計のリセット)
(⇒逆に、遮光の不十分な寝室で早朝に日光を浴びると、体内時計が前倒しにずれて早朝起きの原因となることがあります)
夜の光にも注意が必要です。
(⇒夜の光は体内時計を後ろ倒しにずらし、夜更かし型になってしまいます)
特に、ブルーライト(テレビ、スマホ、タブレットなど)は、メラトニンの分泌を低下させ、
寝付きにくさの原因となるだけでなく、睡眠の質も低下させてしまいますので、
遅くとも就寝一時間前には避けた方が良いでしょう。
特に赤ちゃんや子どもは、光の影響を強く受けるとされています。
寝室の常夜灯(豆電球)は明るい刺激となりやすいため、できる限り使わず、
(授乳やおむつ交換などで)灯りを使用する場合は、
赤やオレンジ色の足元灯、ナイトライトを使用し、直接光源が視界に入らないようにすると良いでしょう。
Q.概日リズム体内時計とは?~どんな働き?いつ完成する?
A.<概日リズム体内時計とは>
※地球の自転と同じ、約24時間周期の体内時計のこと
昼間に活動して夜は休息をとるという自然な生体リズムです。
大人もこどもも、地球上で生活し、健康的な生命維持のためには、このリズムに沿って生活することがとても大切です!
体内時計は、睡眠と覚醒に関するホルモン分泌に影響します
起床時・・・コルチゾールが分泌されて血圧と体温が上昇し活動モードにしてくれます
夜・・・睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が促され睡眠モードになります
体内時計の中枢は脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)というとことろですが、
内蔵一つ一つの細胞にも体内時計(内臓時計)が存在しています。
視交叉上核が親時計で、全身に存在する体内時計を調整しています。
<概日リズム体内時計の発達>
◎胎児期・・・妊娠中から、母親の体内時計により、血圧・体温・ホルモン分泌・血糖値などの変化の影響をお腹の赤ちゃんも、受けているとされています。
ですので、妊娠中から(特に妊娠後期は)、早寝早起きの規則正しい生活が大切です。
◎新生児期・・・超日リズムという2-4時間周期で覚醒と睡眠を繰り返すリズムを持っています
この時期には、昼夜の区別がつくように、(24時間周期に適応できるように)
朝7時~19時までは、明るいお部屋で、ある程度生活音もある環境で過ごす
19時~朝7時までは、暗いお部屋で授乳もおむつ替えも行う(声掛けや刺激は最低限に)
という生活を意識してみましょう。
◎生後3か月以降・・・概日リズムが整い始め、昼夜の区別がつくようになります。夜の睡眠がまとまってきたら、
活動(遊び)・栄養摂取は日中に、夜は休息の時間というメリハリをつけていきます。
Q.子どもの眠たいサインは?
A.あくび、ぐずる、目をこする、そわそわする、目を大きくあける、奇声をあげる、遊びに興味がなくなる、保育者の胸に顔をこする、手足を動かす、耳をひっぱる、顔をかく、行動が遅くなる、反り返る、つまずく、モノにぶつかる
などなど、眠たいサインは、その子一人ひとりによっても違います。
また、疲れすぎて眠気を通り越すと、一見元気なように見えてしまうこともあります。
(疲れすぎて脳が興奮している状態になるため)
特に、あくび、ぐずる、目をこするは、疲れすぎている可能性大!
(あくびは充分な睡眠がとれた後も、みられることがあります)
赤ちゃんが目をこする動作はかわいらしいものですが、
本当は、もう少し早いタイミングで寝かせてあげられると良いサインになります。
お心当たりはありませんか?
ぜひ自分のお子さんの眠たいサインを観察してみてくださいね!
Q.活動時間って何?
A.活動時間・・・聞き慣れない言葉かも知れませんが、赤ちゃんがご機嫌で起きていられる時間のことを指します。
特に乳児期は月齢によって変化していきます。
寝かし付けのとき、ご機嫌である(疲れすぎていない)ことが大事なので、
活動時間内に寝かし付けを始められると、スムーズなお昼寝がしやすくなります。
寝かせようとすると寝ぐずりが酷い、興奮した様子で全然お昼寝できない、などのお悩みの方は、
この活動時間を意識した寝かし付けをしてみると良いかも知れません。
新生児期~生後1か月 約40分
生後1~2か月 約40分~1時間
生後2~3か月 約1時間~1時間20分
生後4~5か月 約1時間20分~1時間30分
生後6~8か月 約2時間~2時間30分
生後9か月 約2時間30分~3時間
生後10か月~1歳2か月 約3時間30分~4時間
1歳3か月~1歳半 約4~6時間
1歳半~3歳 約6時間
4~5歳 約5時間~12時間
上記には、個人差があります。
また、その日の活動量によっても短くなったり長くなったり、
成長発達によって、(例えばハイハイで動き出し始めた、など)一時的に短くなったりすることもあります。
活動時間が過ぎても、一見、眠くなさそうに見えることもありますが、
乳幼児は疲れすぎるとハイパー(興奮状態)になっている可能性もあります。
そうすると、寝かし付けに手こずったり、やっと寝たと思っても、興奮ですぐ覚醒するかも・・・
ただ、この活動時間を常に意識していると、特に低月齢のうちは、あっという間に活動時間が過ぎてしまいますよね、、、
(そうすると一日中こどもの寝かし付けに囚われがちに)
優先順位をつけるとしたら、
〇起床後一回目の朝寝はきちんととれるようにすること
理由:朝寝をしっかりとることで一日のリズムが整いやすいから、昼寝もうまくいきやすくなるから
〇最後のお昼寝(夕寝)から就寝までの活動時間はなるべくオーバーしないようにすること
理由:一日の最後の活動時間をオーバーしてしまうと夜間の睡眠トラブル につながりやすいから
繰り返しますが、これはあくまでも目安であり個人差も大きいので、
活動時間だけでなく、子どもを良く観察して、眠たいサインと合わせて寝かし付けられたらGoodです!
活動時間を意識してみたけど、うまくいかない方
活動時間に囚われすぎてて、しんどい方
いつでもご相談をお待ちしております。
※参考文献 愛波文著「ママと赤ちゃんのぐっすり本」「マンガで読むぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」
Q.こどもの睡眠不足のリスクは?必要な睡眠時間は?
A.大人同様、子どもにも、睡眠不足が与える影響はたくさんあります。
怪我が増える
肥満になりやすい、
生活習慣病になりやすい
精神的発達が遅れやすい、
体調を崩しやすい
自主性や学習意欲が低下しやすい、
イライラしやすい、短気になりやすい
そして重要なことは、乳幼児期間の睡眠不足は、一時的なものではなく、その後の成長発達に大きく影響し、
成長とともに改善も難しくなっていくという点です。
子どもにとって、推奨される合計睡眠時間は以下と言われています。(お昼寝を含みます)
新生児~生後3か月 14~17時間
生後4か月~11か月 12~15時間
1~2歳 11~14時間
3~5歳 10~13時間
6~13歳 9~11時間
上記はあくまで目安で、必要な睡眠時間は個人差がありますので、
〇時間寝ているから大丈夫!
〇時間しか眠れていないから問題!
ということにはなりません。
睡眠時間(数字)だけでなく、日中の活動性や食欲、機嫌や集中力などを総合的に判断することが大切になります。
※参考文献 愛波文著「ママと赤ちゃんのぐっすり本」「マンガで読むぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」
Q.寝ている間に、何がおきている?~睡眠の大切さ~
A.誰でも睡眠の大切さについては耳にしたことがあると思いますが、
睡眠にはどんな働きや重要性があるのでしょうか?
ここでは、寝ている間について起きていることをお伝えします。
<寝ている間におきていること>
①心身の疲労回復
②細胞組織の再生、成長
③免疫機能の維持
④ホルモンバランスの調整
⑤学習した内容、記憶を整理して定着させる
⑥認識力を高める
⑦集中力、学習意欲を高める
人生の三分の一は睡眠と言われますが、
睡眠は、単なる休息だけでなく、心身の健康維持に必要不可欠です!
また、子どもにとっては、以下の四つが、睡眠を通して身につくと言われています。
<乳幼児期~学童期に睡眠を通して身につくこと>
①日中活動して夜間休息をとる体内時計(昼行性)を確立する
②自律神経やホルモンバランス免疫など、健康な体を維持する能力(体内恒常性)
③日中に学んだ知識、情報、経験を記憶する力(学習能力)
④論理的思考や情緒の安定
このように、乳幼児期のうちから正しい睡眠習慣を身に付けることは
一生涯を通じた宝物になります。
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